チェックシートはひとり税理士の強き相棒
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相続税専門の税理士の岡田隆行(okatakatax.com)です。 ☞ 仕事を依頼する
人間の記憶はほんとにあいまいです。忘れることはもちろん、別々の記憶がごっちゃになっていたりすることもよくあります。
プライベートでのことなら、記憶違いがあっても自分だけのことで済みます。しかし仕事上のこととなると笑い事では済みません。

チェックシートの活用
私はひとり税理士ですので、できあがった仕事のチェックをしてくれる人がいません。
チェック機能がないのです。自分で作った成果品を自分でチェックはもちろんしますが、やはり「同じ目」ですので、意識せずに思い込んでいることには気がつかないものなのです。
そんなひとり税理士に、チェックシートはとても有効な手段です。
チェックシートなんて素人っぽいと馬鹿にしてないがしろにしてしまいがちです。
でも、実際にチェックしてみると意外なところの落とし穴に、ハッと気がつかされることが多いです。
規模格差補正率の適用
チェックシートは特例の適用要件を確認するには特に有効です。
たとえば、相続税の土地の評価において、「地積規模の大きな宅地の評価」なるものがあります。
ひとつの土地の評価単位が、三大都市圏なら500㎡以上、それ以外なら1000㎡以上の場合には、一定の計算式にあてはめた補正(規模格差補正率)ができるというものです。
この特例的な評価方法が適用可能な土地は面積制限意外にも、適用できる土地には要件があります。
国税庁のチェックシートの「地区区分」ではつぎのように記載されています。
☞ 国税庁 (平成30年1月1日以降用)「地積規模の大きな宅地の評価」の適用要件チェックシート
○ 評価の対象となる宅地等は、路線価図上、次に掲げる地区のいずれかに所在し
ますか。
① 普通住宅地区
② 普通商業・併用住宅地区
* 評価の対象となる宅地等が倍率地域にある場合、普通住宅地区内に所在するものと
しますので、確認結果確認結果は「はい」を選択してください。
このチェック項目で、評価対象地が路線価地域にある場合には、普通住宅地区または普通商業・併用住宅地地区以外の場合には適用はできないことが分かります。準工業地域や高度商業地域では適用不可ということです。
あわせて、アスタリスクのところに、「評価対象地が倍率地域にある場合」という表記があります。このことで、この評価方法は倍率地域であっても適用可能ということが分かります。
チェックシートは、自分の思いもよらないところの気づきを得たりできます。
チェックする習慣
特に電話で質問があった場合、確認することなく記憶によって回答をしてしまいがちです。
たとえ面倒でも、いちど電話を切って確認の上で回答する習慣をつけるようにしたいものです。
そうした手間を惜しまないことで、万が一の事後トラブルを避けることができます。
【きょうのお仕事】
税理士会館で会員相談室の相談員を。今回はリピーターの方が3名でした。
【きょうの料理】
鶏むね肉蒸し煮でバンバンジー風。ごちそうさまでした。

