借地権の返還でみなし贈与課税されるか

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当事務所の開業当初から土地に関する相談を受けているお客様から、借地権の返還を受けるにあたっての相談がありました。

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みなし贈与?

お話を伺うと、借地権者だった方が亡くなって借地権が相続されたこの機会に、建物を取り壊して借地権を返還する話がもちあがっているそうです。

借地契約は昭和初期にされており、3世代にわたり100年近くもの間、借り続けられており、借地権の取引慣行のあるなしはさておき、自然発生的な借地権がそこには認められることになります。

実際、その亡くなった借地権者の相続税においては借地権を課税財産として計上し、相続人は相当の相続税を負担しているのです。

ところが、その借地権の相続人はその借地権を建物取り壊し費用と、課税された相続税相当額で手放してよいという申し出があったそうです。

借地権の時価相当額よりも、その申し出の金額は数千万円低額となります。

相続税法の規定により、時価よりも低い額で資産の売買があった場合には、その差額については資産を受取った側が贈与を受けたものとみなすとされています。

いわゆる「みなし贈与」の規定です。

本来の贈与は、贈与契約が成立していなければ贈与ではありません。ただ、実質的に贈与と変わりがない資産の移動については、贈与税が課税できるように相続税法で補完しているのです。

数千万円もの差額について贈与税が課税されてしまうと、その額の半分くらいの贈与税額を負担しなければなりません。そんなことになったら、たまったものではありません。

契約は自由

相続税法のみなし贈与の規定は、その対象を親族間の取引と限定してはいません。

ということは、第三者間の取引であっても、時価よりも低額で資産の譲渡があった場合には、時価と実際の取引金額との差額には贈与税が課税される可能性があるということです。

でもそれって、「不動産の掘り出し物」というものがこの世からなくなってしまうということなのでは?と思われるでしょう。

その通りで、せっかく「掘り出し物」の物件を安価に手に入れたのに、その取引で贈与税が課税されたのではたまりません。

実際に不動産を安くてもいいから早く手放したいという事情のある場合には、おのずとその取引額は低くなってしまいます。

ですので、実質的に通常の不動産市場での取引(第三者間の取引)には、実務上この相続税のみなし贈与の規定は適用されていないのが現状です。契約自由の原則が優先されるということです。

みなし贈与の規定が、親族間に限定することとされていないのは、限定してしまうと法の網を狭めてしまうことになり、課税すべきところに手が出せないことにならないような規定にしているものと思われます。

【きょうのお仕事】

重ための案件も大詰めとなり、出口がみえてきました。終わりに近づくとほっとします。

【きょうの料理】

鶏もも肉と大根。鶏もも肉はオイスターソースとチューブにんにくをもみ込んでおいたもので、とてもやわらかです。下ごしらえでずいぶん料理は変化します。

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国税での32年間の資産税事務経験を活かして、相続税に関するサポートに尽力します。

事務所は高松市国分寺町、趣味は料理とバイクです。

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