わたしはよく間違えます 暦年贈与の贈与税額は相続税零でも還付されません
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相続税専門の税理士の岡田隆行(okatakatax.com)です。 ☞ 仕事を依頼する
また間違えてしまいました。電話で他の税理士先生から質問があり、それに何の気なしにパパっと返答していた回答が間違えていたのです。

暦年課税は税額控除のみ
質問は相続開始以前3年以内の暦年課税贈与で百万円超の贈与税を納付している。その贈与額を加算しても相続財産が相続税の基礎控除以下になりそうだが、贈与税額の還付を受けられるのか、というものでした。
私は電話でその質問を受けて、確かめることもなく受けられますと回答してしまっていました。
ところが確認してみたところ、納め過ぎの税額が還付される相続時精算課税制度に対して、贈与税のベーシックな課税制度である暦年課税では、相続開始前3年内の贈与税について、納付していた贈与税額は相続税額があれば税額控除は受けられるものの、還付を受けることはできません。
これは、暦年課税贈与が相続税とは別個のものという認識のため、二重課税の解消だけの措置にとどまっているためです。
せっかく質問いただいた税理士先生には、私の間違った返答で期待を持たせてしまい、ご迷惑をかかてしまいました。
相続税の申告書の作成にはまだとりかかっていなかったようで、それがせめてもの救いです。
相続時精算課税はタイトルどおり
贈与税の相続時精算課税制度を選択して、特別控除の2500万円を超えて贈与を受けた場合には一律20%の税率で贈与税が課税されます。
その後、特定贈与者(相続時精算課税制度を選択した場合の贈与をした者)が死亡した際に、相続税の計算をして、相続税額がある場合には精算課税の贈与税額は控除され、引ききれない場合には還付を受けることができます。
ネーミングのとおり、相続時に精算されるという贈与税・相続税の課税制度なのです。
【きょうのお仕事】
顧問先の税理士事務所へ訪問。事務所のみなさんは年末調整でご多忙のようです。

