変更時点では課税は発生しません 生命保険契約の契約者変更

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税務調査の事例で、10年以上前に締結された生命保険契約の契約者を、親名義から子の名義へ変更していた場合に、もとの契約者である親が亡くなった際の相続財産(生命保険契約の権利)となるものがありました。

この事例のとおり、生命保険契約の契約者を変更した時点では課税はされず、その後に保険料の負担者が死亡した時、保険契約の満期となった時、保険契約を解約した時に生命保険契約の権利を、相続取得した、贈与取得したものと「みなされて」課税対象となります。

☞ 10年以上前に契約締結された生命保険契約の権利 税務調査で指摘を受けた結果

☞ 10年以上前に契約締結された生命保険契約の権利 税務調査で指摘を受けたら

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出口課税

この場合、契約者が変更された時は入口、掛け金負担者の死亡や、満期、解約の時は出口ですので、出口課税と称します。

この課税は国税の実質課税の原則があるものと考えられます。

生命保険契約の契約者は保険法上、保険料の負担義務を負いますが、実際には保険料の負担については契約者以外の者がしても何ら問題にはなりません。

国税が課税対象として捉えるのは保険料の負担者と、保険事故発生時)保険金などの受取人の関係性によりつぎのとおりの課税がされます。

保険料の負担者 = 保険金等の受取人 ← 所得税課税(一時所得)

保険料の負担者 ≠ 保険金等の受取人 ← 相続税 または 贈与税課税

契約者が変更となった時点において、仮に前契約者が保険料負担者だったとしても、契約者としての地位そのものは財産価値があるものとは認識しません。

後になって、保険料の負担者が死亡したときにはじめて課税をすることにしているのです。

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今回の調査事例でもそうですが、申告義務が課される納税者にとってみれば、何十年も前に払った保険料を誰が負担したかなんて、記録していない限り記憶はあいまいになっているのが自然です。

また、契約者を変更した事実についても忘れている可能性が高いです。

相続税の申告書を作成する際には必ず「被相続人が保険料を負担していた保険契約はなかったか」確認はするものの、相続人がそれを記憶していなかたらお手上げです。

贈与財産の相続財産への持ち戻しであれば、相続人が贈与の事実を失念していても、贈与税の申告をしていたかどうかは、税務署へ開示請求をすればこと足ります。

ところが、生命保険契約の契約者変更の場合にはそれもできません。

また、保険事故が発生しないため、相続人も気づかず、当然のことながら保険金などのお金も入りません。

相続財産が生命保険契約の権利だけということは、あまりないとは思いますが、金融資産が少なかったらそれこそ保険契約を解約して、相続税等を負担する自他ににもなりかねません。

まあ、すぐに換金できるから、不動産よりは流動性があるという考え方もできますが、いずれにせよ相続・贈与財産とみなされる生命保険契約の権利の申告漏れについてはご注意ください。

【きょうの料理】

鶏むね肉の南蛮煮。見た目は地味ですが、けっこういけます。

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国税での32年間の資産税事務経験を活かして、相続税に関するサポートに尽力します。

事務所は高松市国分寺町、趣味は料理とバイクです。

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