子どもからの借金は債務控除できますか 相続税の債務控除

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こどもが親に金を無心するというのはよくある風景ですが、その逆、親が子どもから借金をしていた、という話はあまり耳にしません。

まったくない話ということはありませんが、子どもからの親が借金していた場合に、その借金は相続税の課税上、親のマイナス財産として、親のプラス財産から控除できるでしょうかという設問です。

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親の介護費用

たとえば、子どもが高齢の親の介護費用をすべて負担していたとしたらどうでしょうか。

いままで世話になった大恩のある親に介護が必要となり、最高の介護サービスを受けてもらおうと、介護保険を利用せずに個人ヘルパーを依頼して何年も自宅での介護をしていたとしたら、年間数百万円の費用がかかり、介護が長引けば長引くほどその費用は嵩みます。

この子どもが負担した介護費用は、親が子どもからの借入金と認められるかどうか。

親子間では民法上相互扶助の義務があるとされていますので、子はその義務を履行したものといえます。

親自身に介護費用を負担する資力があってもなくても、相互扶助の義務はある訳です。

親が亡くなる直前の介護費用や医療費などで、親が支払うべき費用を子どもが立て替えていたという範囲の金額であれば、何らの問題もなく「立替金」として債務控除することができます。

そうではなくて、日常的に何年にもわたり子どもが親の介護費用を負担し続けて、その精算をしていなかった場合、それは相続税上の債務として申告書を提出していた場合、債務控除に疑義ありとして、十中八九税務調査の対象案件とされるものと思われます。

子供が介護費用を負担して、それを親の借金だとして相続財産から債務控除するのと、親自身の現金預金から介護費用を支出するのと、相続税の課税財産を減らす効果としては同じということになります。

それならば、税務調査されて債務控除を否認されるリスクを冒すよりも、親自身の現金預金から介護費用を負担しておけばよいということになります。

確実な債務か

相続税の計算上控除が可能な債務は「確実な債務」に限られます。

確実な債務とは、その債務を承継した相続人等が実際に債務を負担する必要がある場合の債務のことです。

今回のケースで考えてみれば、被相続人である親が債務者であり、相続人である子が債権者ということになります。

相続人が複数いる場合に、債権者である子以外の相続人が親の債務を承継した場合を別として、債権者である子が親の債務を承継した場合には、債権と債務が同一人に帰属することになります。

そうすると民法§520の「混同」によって、債権と債務は消滅してしまいます。

現実に、親に対する貸付金を、債権者である子ども自身が承継した場合、自分が自分に対して借入金を返済するというおかしなことになってしまいます。

それでは承継した債務の実際に「履行」はされることはありませんので、「確実な債務」とはいえません。

確実ではない債務は、相続税上の債務控除の対象外ということになります。

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