事実はひとつ 課税関係を歪めるのはNG
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相続税専門の税理士の岡田隆行(okatakatax.com)です。 ☞ 仕事を依頼する
先日とある税理士事務所で質問を受けて、事実関係というものについて考えさせられました。
☞ 預金の異動があったら即贈与なの? 事実の確認なしには不可

時価よりも低い価格での譲渡
相談内容は、親族間の土地譲渡案件です。その土地の譲渡対価が時価よりもかなり低い価額で行われていたそうです。
個人間において、時価よりも著しく低い額により売買があった場合、その差額について譲受人に贈与されたもの(みなし贈与)として取り扱われます。
→国税庁タックスアンサー No.4423 個人から著しく低い価額で財産を譲り受けたとき
相談者の方は、このみなし贈与税課税をどうにか回避できないものかと試行錯誤されているのです。
そして色々と質問されます。時価相当額を分割払いにすること(契約)にしたらどうなのかとか、その土地譲渡自体が誤りであったとして、錯誤登記したらどうなのかとか、後付けでどうにかならないかいろいろと考えるのですね。
事実はひとつ
事実とは観察、記録できる客観的なデータのことです。
今回の相談内容の事実関係は、「親族間で時価よりも相当低い額で土地の売買があった」ということであり、それ以上でも以下でもありません。
その事実関係が、課税要件事実にあたるかどうかが課税判断の岐路となります。
事実はひとつなのに、後付けのなにかで課税関係が変化してしまうと、課税の公平性が保てないということになってしまいます。
もちろん課税要件事実を満たすものすべてに適正な課税がされている訳ではありません。されていない部分を補完するため、税務当局による税務調査がされる訳です。
ただ、課税要件事実をみたす事実を認識してしまった以上、税理士としてはその課税関係事実に基づいた申告指導なりをしなければなりません。
「真実はひとつだ!?」
みなさんご存知の名探偵コナンの決め台詞ですね。
事実は客観的に確認できるもので、真実は主観的なものという線引きあるようです。
真実はひとそれぞれのとらえ方によるものということなので、人の数だけ真実は存在するということですね。
「事実はひとつだ!」
生前贈与の事実
相続税調査で事実関係が頻繁に問題になるのが、家族名義預金についてです。
被相続人の妻や子ども名義の預貯金がはたして被相続人の財産なのか、それとも生前に各名義人に贈与されていたものなのかということが問題点として浮上します。
贈与というものは、民法上の契約で「あげます、もらいます」の双方の合意があって、贈与対象のブツが移転することにより発生します。
この契約があったのかどうか、ブツが移転しているのかどうかが、夫婦間もしくは親子間では曖昧模糊としている場合が多く、
しかも片方の契約当事者である被相続人は亡くなっているので、事実関係の把握が難航するというのが現状です。
でも、「疑わしきは納税者有利に」の原則からすると、家族名義預金であることの立証責任は税務当局側=税務調査官にある訳です。
「これは家族名義預金ではありませんか?」と口にすることはたやすいですが、事実関係の立証となると・・・税務調査官も楽な仕事ではありませんね。
【きょうの仕事】
週明け月曜日で確定申告期もおわりです。消費税は3月末までですが。
相続税申告案件をしまってゆかなければなりません。
【きょうの料理】
鶏むね肉としいたけ・ピーマンをオイスターソース+醤油で。


