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「売り土地」の立て札を見て考える所有の概念 

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「売り土地」の立て札を見て考える所有の概念 

当ブログをご覧いただきありがとうございます。相続税専門の税理士の岡田隆行(okatakatax.com)です。

先日、「売り土地」の立て札が立っている土地を見て土地、ひいてはモノの所有というものについて考えてしまいました。

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「永年保存」の書類

税務職員時代に、内部事務のひとつに保存簿書の整理がありました。保存簿書の種類ごとに保存年限が決まっておりいちばん長いものは「永年保存」です。

永年保存とされているのは、その案件が未完となっているものです。たとえば遺産分割が未了のまま、法定相続分で仮に提出されている相続税の申告書とか、農地の納税猶予案件などです。それらの簿書は案件が完結した時点から、更に何年という保存年限が設定されます。

遺産の分割が終わらないままになったらどうなるんだろうとよく考えていました。(税務署(国)としては、税金の取りっぱぐれはないので未分割のままでも何ら問題がないのですが、)人の命には限りがあるのに、永年とう言葉が似つかわしくないと感じていたのです。

売った土地は「先祖代々」の土地

土地譲渡の申告の際には、譲渡物件の取得時期、取得価格を確認する必要があります。そこでよく耳にしたのは、「先祖代々の土地です」という言葉でした。

その土地を譲渡した本人が先代から相続したものであれば、先祖代々という表現になるのでしょうから、間違いとは言えませんがなんとなく違和感を覚えます。

土地の個人所有が法制化されたのは、明治の地租改正以降ですからほんの150年ほど以前からのことです。それ以前は土地はお上のもので、土地には利用権という概念しかなかったのです。

もちろん、そんなことは土地譲渡の申告には関係がありませんので、土地を売った人には言うことはないのですが、

すべてはかりそめ(仮初)のもの

そもそも所有という概念自体がかりそめ(仮初)のものです。

かりそめとは「一時的な」という意味ですが、ひとの命に時間制限がある限り、すべてはかりそめのものという考え方もできます。

自分が生まれる前、それから死んだ後については確認することすらできない世界です。過去は記憶でしかなく、未来は予測に過ぎません。

大事なのは「今」であって、自分で何かをどうにかできる可能性があるのも「今」しかない。「今」を大事に生きましょう。

たとえば、飲まなくてもいいお酒で二日酔いになってしまって、せっかくの「今」をよくない気分で無為に過ごすなんて、とてももったいないことだと切に思います。

【きょうの料理】

伊勢うどん。600円。

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