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当ブログをご覧いただきありがとうございます。相続税専門の税理士の岡田隆行(okatakatax.com)です。
税務署の窓口相談では節税のアドバイスを受けることはできないということは、一般的な常識として浸透しているようです。
☞ 税務署も人手不足 「資産税担当不在なので分かりません」で済む世界
節税の助言はしません
私は2020年まで32年間税務職員として過ごし、開業税理士となりました。
税務署の窓口相談では、聞かれたことだけにしか答えません。
こうすれば、○○円の節税になると知っていながらそれを納税者に伝えないのは、行政サービスの怠慢なのではないかと思いつつも、32年間過ごしました。
税務署で節税の助言をしないのは、表向きは助言をした納税者としなかった納税者によって不公平が生じてはいけないからなどの理由をつけると考えられます。
本音としては、節税の助言をしたものの、助言が誤りでその節税策が原因で何か別の悪影響が生じた場合の責任を追及されたくないということです。
公務員はとかく間違いとか、責任を取らなければならないことに過敏に反応します。
それは国税組織のメンツを保たなければならないということもさることながら、自分自信が責任を取らなければならないことにならないよう、組織全体ができる限り穏便な行動をとる習慣、体質だからです。
そんな体質の現れが、冷淡な税務署窓口対応なのです。
税理士にとっては
冷淡な窓口対応は取りようによっては、税理士にとってはありがたいことです。
税務署で相談したとしても、節税につながる助言を得ることはできないとなれば、納税者は自分で考えるか、税理士に頼るほかありません。
納税者がお客様である税理士はもちろん持てる知識を総動員して、節税策などを提案しますから、お客様には喜んでいただけます。
陰謀論で考えれば、税理士の会の頭領が国税組織の頭領に働きかけて、国税組織のトップダウンで納税者には冷淡に対応するように仕向けているのではないかと勘繰りたくもなりますが、先述の責任取りたくない習慣がほんとのところでしょう。
デジタル化の結果
国策のデジタル化の推進によって、税務署の内部事務はセンター化がどんどん進行しており、各所轄署の人員は減少の一途を辿っています。
相続税業務を含む事務を所掌する資産税担当職員はその最たるもので、以前は高松国税局の全26税務署すべてに配置されていましたが、いまや県庁署のほかは鳴門署、丸亀署、今治署、新居浜署、宇和島署に配置されているだけです。
それ以外の署は「無配置署」と呼ばれ、月に一度だけ相談日を設けて中心署から資産税担当職員が、相談に派遣される体制になっているようです。
完全予約制の月いちのみの相談では、何か月先の予約になるかも知れず、納税者サービスとしては以前よりもずいぶん低下していると言わざるを得ません。
デジタル化一辺倒の国側の言い分としては、相談業務はネットで、バーチャル税務職員「ふたば」が対応するからそれでよしとなっているのでしょう。
国策のデジタル化が税理士の仕事を後押ししてくれて、たいへんありがたいことです。
さいごまでご覧いただきありがとうございました。
【きょうの言葉】
「あと5年だとしたら、今なにをするか」と考えて行動した方が濃密な時間を過ごせる。
【きょうの料理】
ブリ大根。
【相続税専門】岡田隆行税理士事務所 ℡087-816-8889
国税での32年間の資産税事務経験を活かして、相続税に関するサポートに尽力します。
事務所は高松市国分寺町、趣味は料理とバイクです。