何千万円もらっても損した気分になるケース 事実と感情は別もの
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相続税専門の税理士の岡田隆行(okatakatax.com)です。 ☞ 仕事を依頼する
とある相続税申告案件の仕事でお客様の財産分けのお話しを伺っていて、こんなお話しを思いつきました。題して「2000万円もらったのに損した気分」です。
☞ 「怒る」ってちょっとちがうと思えてきた 感情のコントロールでハッピーに

2000万円もらったのに損した気分
(この物語はフィクションです)
ある日突然従姉から電話がかかってきて、「伯父さんが亡くなり、あなたは法定相続人になりますから相続財産のうちから現金2000万円を渡します。」と言われました。
突然に降ってわいたように2000万円が手に入ることになったのです。
ヤッタぜ!これで住宅ローンも繰り上げ返済して、欲しかったクルマでも買おうかな・・・なんてはやくも皮算用をはじめます。
亡くなった伯父さんは3年前に亡くなった父の兄にあたる人ですが、父が亡くなってからは疎遠になり、ほとんど顔をあわすこともありませんでした。介護施設に入所しており、老衰で亡くなったと連絡があってお葬式にだけは参列していたのでした。
伯父さんには子がなく、奥さんも先に亡くなっていました。法定相続人は電話をかけてきた伯父さんの姪にあたる従姉と、甥に当たる自分のふたりだけ。
奥さんも子もない伯父さんの世話は、その従姉がずっとしていたのでした。
それにしても、あの伯父さんがそんなにお金を持っていたとは全然気がつかなかった。こんなことなら、生前にもっと会っておくべきだったなどとちょっと後悔の念を感じています。
ところで、2000万円もらえるのはとても超嬉しいことだけど、伯父さんの財産の総額はいったいいくらあったのだろう。
そう思って従姉にたずねたところ従姉は淡々と話すのでした。
「遺産総額は1億円よ。でも遺言であなたには現金2000万円を相続させて、のこりはすべて私に相続させるとされているの。」
「ええっ1億円?じゃあ法定相続分の二分の一なら5000万円もらえたってこと?」
5000万円が2000万円になってしまい、3000万円損した気分になりました。
自分が伯父さんの直系の血族であったなら、遺留分の権利がありますが、兄弟の子どもではそれもありません。
せっかく2000万円手に入ると有頂天になっていたのに、遺産総額が1億円と聞いたばっかりに、3000万円損した気分になってしまいました。
事実と感情を分けて考える
事実関係としては「伯父さんが亡くなって2000万円入ってきた」ということに変化はありません。
ところが、感情は遺産の総額を聞く前と後とではてっぺんからどん底へと大幅に急降下しています。
つまり、事実と感情にはまったく関係がないことがわかります。
ということは、ちょっとでもいいことがあったら、いえ、たとえいいと思えることがなにもなくても、いい感情でいることはできるはずです。感情はじぶんしだいなのですから。まあ、それが難しいのですけれどね。
でも難しくても、せっかく天からいただいた貴重な時間を過ごすのですから、いつも楽しく小躍りするような気持ちで生きていたほうがいいに決まっていますよね。
【きょうのお仕事】
相続税申告書作成のお客様のひとりから電話があり、別の方からメールがありました。
お盆で親族が顔をあわせ遺産分割のお話しも前に進んでいるようです。
【きょうの料理】
お盆なので?焼き肉。牛豚鶏焼き肉セット1500円。お安いですが、十分満足のボリュームでした。ごちそうさまでした。
