DX化によって各税務署の伽藍堂化が加速しています
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相続税専門の税理士の岡田隆行(okatakatax.com)です。 ☞ 仕事を依頼する
先日私の所属する税理士会の管轄税務署のお隣の税務署に立ち寄ってみました。
なんだか活気がなくて、ガランとしていました。
☞ DX(デジタルトランスフォーメーション)化によって失われるものとは?

国策なのは理解できるが
国策であるデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の波は、親方日の丸である税務署にも着実に浸透してきています。
各税務署でしかできない仕事以外、特に内部事務はすべてセンターに集めてまとめて処理してしまおうという思考のもと、各税務署の人員はどんどん削られています。
私は令和2年に税務職員を退職して、開業税理士となりました。
先日私が立ち寄ったお隣の管轄の税務署も、令和3年度には28名だった職員が、令和7年度はなんと16名。
半減とはいかないまでも、42%もの減となっているのです。
臨時職員以外はワンオペ
私が立ち寄った時間が16時を過ぎていたこともあり、臨時職員は帰ったあとだったせいか窓口で対応してくれたのは正職員の男性でした。
今年度の職員録によれば、令和4年度まではその署に存在した”管理運営徴収部門”がなくなり、総務課付きの”管理運営徴収担当”になっていました。
しかも担当の正職員はわずか1名のみ。
16時以降は連日その正職員が窓口業務を担っているということです。
なんだかさびしい
たしかにDX化によって、これまでは各税務署の窓口で行っていた申告書の提出、税務相談、申告書・届出書の交付などはパソコンまたはスマホで事足りるようになりました。
その流れは今後ももっと推進されていくことを考えれば、各税務署に配置する人員を削減されてゆくのでしょう。国税局税務署の人員削減は国家の徴税コスト削減になりますから、赤字続きの国家運営の一助にはなるでしょう。
以前は法人課税、個人課税、資産課税、各税の系統別に内部事務もすれば、調査もするという系統別の専門職員がいるという縦割りの職場でした。
それはそれで各税目横断的な課税ができていないという批判もあった訳ですが。
その縦割りが、内部事務と調査事務というくくりに変化しているのです。
コストを優先するあまり、実際の現場を知らない税務職員ばかりになってしまう憂いはないのかと。
前の職場のこととはいえ、一抹のさびしさをおぼえました。
【きょうのお仕事】
相続税対策のための財産明細の作成。いかに分かりやすくするかに腐心します。
【きょうの料理】
豚こま茄子キムチ。ごちそうさまでした。

