定年退職後は家にこもる? 価値観は人それぞれ
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相続税専門の税理士の岡田隆行(okatakatax.com)です。 ☞ 仕事を依頼する
たまたま普段使い以外の近所のスーパーで買い物をしていたら、税務職員時代の同期生にばったり出会いました。
同期生曰く「あと4年で60歳。60になったら退職して、ずっと家にいようと考えている」のだそうです。

普通科の同期生
国税局、税務署の税務職員はその多くが、高卒程度の「普通科生」と大卒程度の「専科生」(国税専門官)で採用されます。
どこの職場でも同期というものは特別な仲間意識があると思いますが、税務職員もそれは同様。
しかも普通科生は、採用後に1年間、全寮制で普通科研修を受講しますので、同朋意識というものがより強くなります。
私が普通科生になったのは、昭和の最後の年の昭和63年で、寮生活をしていた年明けに昭和天皇が崩御されて平成に改号されたのでした。
あれから37年。私は32年間で税務の職場を去りましたが、ばったり出会った同期生は今も職員を続けています。
税務職員として23年間勤務すると、一定の要件のもとに税理士試験が免除されますので、退職したら税理士登録をしないのか聞いてみました。
すると「退職してまで税務の仕事をしていたくない」のだそうです。
まったく違う世界
その同期生は、税務職員も税理士も同じように税金を扱う仕事だから、同じようなものだと捉えているのかもしれません。
捉え方は人それぞれです。どう捉えるかはひとりひとり違っているのが必然です。
私の捉えかたは実際に開業税理士となってみて、税務職員とはまったくちがう世界だと感じています。
まず、税理士は個人事業主であり、たとえ従業員がひとりもいなくても経営者の立場です。
国税局・税務署の組織では、組織の一員としての仕事とはまったく違います。
組織ではその組織の一員であるという組織人としてのふるまいが強制されます。
ですが、たとえ病をえて仕事ができなくなったとしても、一定の収入が保証されています。
ところが、税理士はもしケガや病気で働けなくなったら、収入は途絶えてしまいます。
やることなすこと、仕事の責任もその成果もすべて自分がうけとめることになります。
私が税理士になっていちばんよかったと感じる瞬間は、お客様から「あなたに頼んでよかった」と言われた時です。お客様からいただける感謝も独り占めできるわけです。
それは税務職員でいる限り、絶対にと言っていいほど得られるものではありません。
モッタイナイ
それをいかにもう税務の職場はいやだと捉えている同期生に伝えても、おそらくその感情は伝わらないでしょう。
他人は変えられませんからね。
しかし、60歳で無収入となったら食べていけるのでしょうか。
開業税理士なら定年がありませんから、アタマとカラダさえついていければ何歳まででも働けるのになあ。
【きょうのお仕事】
相続税申告案件の仕上げに添付資料の写しを作成。お客様へ納品する資料のコピー用紙は、やはり高い紙をつかったほうが、見た目がよいです。
【きょうの料理】
鶏むね肉と茄子の蒸し物。茄子は皮をむくと、アク・苦みが薄まります。ごちそうさまでした。

