相続税の申告をしたら営業電話があった? 更正の請求ビジネス
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相続税専門の税理士の岡田隆行(okatakatax.com)です。 ☞ 仕事を依頼する
以前、相続税申告書作成で代理をしたお客様から電話がありました。東京の税理士から「相続税申告の見直しをします」というダイレクトメールが2度も届き、さらに営業電話までかかってきたそうです。

情報漏洩ではない
相続税の申告書を税務署に提出しても、その事実が公表されることはありません。
営業をかけてきた東京の税理士も言っていたそうですが、「相続登記をみた」ということです。
相続登記をみた?登記情報をしらみつぶしに閲覧したのでしょうか。
登記情報は誰でも閲覧することが可能ですが、登記情報をランダムにせよ閲覧して、相続登記を把握するというのは現実的ではありません。
どうも「名簿業者」なる者がいるそうです。その名簿業者が法務局の公文書である「不動産登記受付帳」の情報公開請求をしてそこからリストアップしたものを販売しているのです。
名簿を買うのは相続物件売却の仲介狙いの不動産業者や、相続税申告(特に土地評価)の見なおしをして、相続税の還付を受けるための「更正の請求」を生業とする税理士なのです。
気分がいいものではない
相続税の申告書をみなおす。それは他の税理士が作成した相続税申告の申告額が高いとケチをつけるということです。
当初申告を作った税理士としては、申告内容の粗さがしをされるのですから、気分がいい訳はありません。
ただ、その業者(税理士)の営業活動を阻止することはできませんし、お客様がそれを受入れるのをやめさせることはできません。
自分が制御できないことは、手を出さないし考えないのがいちばんです。
他の税理士の粗さがしでビジネスになっているということですから、見直しをすると商売になるだけの申告内容や財産評価に指摘すべき事項があって、相当の相続税の還付を受けることができているのでしょうね。
もしお客様がその営業をかけてきた税理士にみなおしを依頼するということは、それは私の申告書作成に疑念を持っていたということの証左です。
それは私の不徳の致すところですから、なんとも仕方がありませんが、名簿業者なんかからリストを買い取ってチラシを送りつけるような業者(税理士)にはなりたくないなあ。
【きょうのお仕事】
ある士業の方から事務所スタッフ対象の勉強会の講師の依頼があり、2時間ほどしゃべってきました。
【きょうの料理】
鰹のタタキ。通常のお刺身は高くて手が出ませんが、鰹のタタキはリーズナブル。


