税務署の事務がセンター化されて失ったもの
Table of Contents
相続税専門の税理士の岡田隆行(okatakatax.com)です。 ☞ 仕事を依頼する
毎年12月には、管轄の税務署と税理士会支部との意見交換会が開催されます。
税務署側は所長を筆頭に幹部が顔を揃えます。ちょうどよい機会なので、徴収担当の幹部の方に現在手掛けている相続税の農地の納税猶予の担保提供に関する書類について質問してみました。

センター化されると
具体的には、必要書類の内の登記事項証明書に代わるものとして、登記情報サービスで取得できる登記情報を提出してもよいのか、という質問です。
すると「納税猶予の事務はセンターで一括処理しているのでわかりません」という回答でした。
また、協議会で税理士先生から、確定申告期に譲渡所得の申告を促すお知らせハガキが届くのが例年2月頃で遅いので、もっと早くできないのか質問がありました。
これについても「お知らせハガキの発送事務はセンターで一括処理しているのでわかりません」というまったく同じ回答でした。
やはり、事務のセンター化によって各署の担当者がその事務に携わらなくなってしまうと、その仕事については知りようありません。
携わらないので、その仕事を覚える必要がありませんから学習することもありません。筋肉と同じで使わないと衰えてしまうのが自然です。
以前は各税務署に「猶予担当者」がいて、その職員は猶予の専門家で猶予のことならその人に聞けばなんでも答えてくれる安心感がありました。
いまや各税務署は単に受付窓口になってしまっており、なんだかどこの署もガランとしています。
もう元に戻ることはないのでしょうね。
【きょうの仕事】
相続税の農地の納税猶予案件が仕上げ段階に入りました。そういえば、納税猶予案件を手掛けるのは初めてです。

