初・農地の納税猶予案件
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相続税専門の税理士の岡田隆行(okatakatax.com)です。 ☞ 仕事を依頼する
先日提出した相続税の申告書は、初の農地の納税猶予を適用した案件でした。

適格者証明書
相続税申告における農地の納税猶予は、相続する農地にかかる税額の一定額を猶予する制度です。
税金を猶予する要件は相続人が、その猶予対象の農地を所有し続けて耕作を続けることです。
以前、相続税の納税猶予は、相続税の申告期限から20年間、所有と耕作を続けていれば猶予されていた相続税額が免除となる規定がありましたが、現在は廃止されています。
ですので、猶予税額を納税したくなかったら終身営農が要件となっています。
土地価格が高騰したバブル期には相当数の納税猶予適用案件があったのですが、その後の土地価格の下落に加えて、平成15年に相続時精算課税制度が導入され、相続税と贈与税の納税猶予の適用件数は激減しました。
納税が猶予されるとはいえ、自由に売買や宅地転用ができないなどの土地利用が制限されるために敬遠されているのです。
今回の相続案件では、宅地転用が見込めない奥まった場所にある農地について、納税猶予を選択したものです。
相続税の納税猶予を受けるためには、各市町村の農業委員会で「相続税の納税猶予のための適格者証明書」を取得する必要があります。
この証明書には、特例農地の所在地番、地目、地積の明細を記載するようになっています。
これは今後納税猶予適用農地について、耕作を継続している旨の継続届出書を3年ごとに税務署に提出する必要があり、その際にも農業委員会の証明が必要なためです。
農業委員会としても、耕作を継続している旨の証明をしなければならない関係上、納税猶予対象となっている農地を把握しておく必要があるのですね。
事後提出もOK
相続税の納税猶予の適用については、期限内申告が要件となっていますので、相続税の申告書に適用を受ける旨の記載をしておく必要があります。
しかし、この適格者証明書については、各市町村によって農業委員会が開かれる頻度がまちまちですので、相続税の申告期限を過ぎてから提出しても問題はありません。
ただし期限内に申告書を提出する際、添書に適格者証明書については、後日証明が取れしだい速やかに提出する旨を記述しておくことをおすすめします。

