ゼロ申告でも提出しておいたほうがいい場合も 相続税の申告書

相続税専門の税理士の岡田隆行(okatakatax.com)です。 ☞ 仕事を依頼する

懇意にしていただいている税理士事務所から質問がありました。相続税の申告書を、相続財産が基礎控除未満でも提出しておいた方がいいかどうか。

☞ 相続税の申告書は早く提出したほうがいいか? 税理士独立開業

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場合によりけり

相談があったのは、法定相続人は存在するが、公正証書遺言により法定相続人以外の親族が財産をすべて取得するという相続税申告案件でした。

そのような遺言がのこされた理由は不詳なのですが、なんらかの事情があるようです。

確認できている財産債務を集計したところ、相続税の基礎控除未満になりそうだということです。

ただ、被相続人の遺産のすべてについて把握しきれていない可能性があるといいます。

期限内申告しておいた方がよい場合

亡くなった被相続人の純然たる財産、つまりプラスの財産からマイナスの財産(借金、未払金などの債務および葬儀費用)を差し引いた額が、相続税の基礎控除の額を超えない場合、相続税の申告義務は発生しません。

申告義務がないので、税務署に対して何もしなくてもよいということになります。

国税局・税務署は相続税が無申告となることを防止するために、税務署で把握できる資料をもとに「相続税の申告についてのご案内」といった申告勧奨の文書を、相続税課税の見込みがある相続人代表者あてに随時発送しています。

この文書には、「相続税の申告要否検討表」という書類が同封されています。この検討表は、各法定相続人の名前、被相続人の保有する財産の概要を土地から順に記載していく様式になっています。

ご案内が届いた場合でも、相続税の対象になりそうにない場合には、申告義務はないのですから、この検討表を提出しておけばよいということになります。(検討表の提出はあくまでも任意です)

ただ相続財産の額が、基礎控除未満の場合でも、税額零で申告書を提出しておいたほうがよい場合もあります。

それは、被相続人の財産がすべて把握しきれていないと見込まれる場合です。

たとえ税額が0円でも申告期限内に申告書を提出しておけば、万が一申告期限後に新たな財産が発見された場合でも、自主的にその財産額を当初申告に追加して申告書を提出すれば、それは「修正申告」という扱いになります。

自主的に「修正申告」を提出した場合には、過少申告加算税の対象とはならず、延滞税も1年分だけで済みます。

ところが、当初申告を提出していないと、申告期限後に提出する申告書は「期限後申告」ということになりますので、「無申告加算税」の対象とされ延滞税も納税する日までカウントされてしまうこととなります。

(注意)小規模宅地の特例は申告が要件

相続税の特例のひとつに「小規模宅地の特例」があります。

被相続人の居住用財産や特定の事業用、貸付事業用に利用されていた宅地について、一定の面積・割合の部分の額までは課税対象としないという特例措置です。

この特例については、申告することが要件とされています。つまり申告書を提出しなければ、特例を受けることができないので、特例適用した結果が基礎控除未満となる場合でも、期限内に申告書を提出することが要件となりますのでご注意ください。

【きょうの仕事】

現在手掛けている、相続税案件で法定相続人がひとり、子どもだけという案件が複数あります。

相続人はいずれも私と同世代の方です。

私の同級生で言えば、ふたり兄弟姉妹が大半だったなあという感覚です。

戦中戦後の子だくさんだった世代の子の世代が、相続人にさしかかってきているのですね。

【相続税専門】岡田隆行税理士事務所 ℡087-816-8889

国税での32年間の資産税事務経験を活かして、相続税に関するサポートに尽力します。

事務所は高松市国分寺町、趣味は料理とバイクです。

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