はじめての税務調査がありました 税理士独立開業
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相続税専門の税理士の岡田隆行(okatakatax.com)です。 ☞ 仕事を依頼する
自らが手がけた相続税案件で、初の実地調査がありました。
リンタク調査
税務調査官が納税者の自宅などを、調査で訪問(臨場)することを臨宅(リンタク)といいます。
今回は事情により、税理士事務所の会議室が臨宅先となりました。
約束の時間にやってきたのは、20代の若手調査官2名。
書類持ち出し用の黄色のバインダーをさっと鞄から取り出し、さっそく質問開始です。
相続税は他税目にはない、「相続税臨宅用質問シート」なるフォーマットが標準装備されています。
(法人税、個人事業税にこのフォーマットが用意されていないのは、業種ごとに質問事項が異なるため、その項目が多岐に渡ってしまうためです)
その記載にしたがい、ひととおりの質問をすすめてゆくのです。
被相続人、相続人、親族の出身地、職歴、収入の変遷、今回の相続とは別誰かかから遺産を相続したり、贈与を受けたりしていないか。
などなどを先に尋ねておき、後からの質問の回答の出口を塞いでおきます。
さらに被相続人の金銭の管理は本人がしていたか、別人がしていたのならその時期はいつからか確認をとられます。
ひととおり質問が終わったら、現物確認、主に被相続人、相続人の通帳の確認に入ります。
指摘事項は先に準備
通帳の確認といっても、その現物の通帳を見ながら預金のながれをチェックするのではありません。
実は臨宅調査、というよりも調査の連絡のあるずっと以前に預金のながれはチェック済みです。
把握した預金のながれのなかに、相続財産として申告すべきものが申告書にない案件について、実地調査の連絡がされるのです。
確実に申告漏れを指摘されるのは、被相続人名義のまとまった金額の預金が相続人名義の預金に「シフト」しているものです。
生前に預金が「シフト」しているのに、それが申告書に反映されていないもの。これは固い指摘事項となりますので、優先的に調査対象とされてしまうのです。
今回の指摘もその類型のようで、相続開始の前年に数百万円の「シフト」があるのにもかかわらず、申告されていないことが原因で実地調査となったようです。
税理士としては、被相続人の過去の預金のながれについては、相続開始の3年前程度の通帳や取引履歴などで確認はします。
ただ、相続人から預金通帳の提示がなかったり、相続開始前にその「シフト」のあった預金口座が解約されていた場合にはその「シフト」の把握は困難なものとなります。
反対側からみる風景
5年前までは自分が調査をする側だったものが、今はそれを対面してみている状況となっています。
調査する側=取る側にいたときは、自分が招かれざる客の代表格であり、嫌悪の対象とされている立場が何ともいえず嫌な気分が拭えませんでした。
当初の申告でこんなに税金申告して取られているのに、まだ取りに来るのか!と口にはしないまでも内心思わない人はいないでしょう。
もちろん、納税は国民の義務ですから、ルールにしたがって納税する必要があることは当然です。それでも自然の感情として、いい気分ではいられなかったのは事実です。
今は調査を受ける側=取られる側となり、自ら作成した申告書の内容に不備がなかったかという不安はあるものの、取る側のときのような嫌な感情を感じずにいられます。
人のいちばんの幸せは何か。
極論すれば「気分よく過ごす時間が長いこと」です。
その意味では、税務職員を早期退職したことにより幸せが増大した!と自信をもって言うことができます。
【きょうの料理】
ランチはコンビニで。ゆで卵とサラダチキンバーとミックスナッツ。
たまたま同席した方のランチは、オムそばとパスタでした。
人間のカラダはタンパク質でできています。タンパク質を積極的に摂取しましょう。
