Table of Contents
不動産の相続に関してよく質疑応答にあるおはなしです。
わたしは不動産の共有はさけたほうがいいと考えています。
今の問題を将来へ先延ばしにしている
これはたとえばなしです。
むかしむかしあるところに、賃貸アパートを共有している夫婦がいました。
夫婦は年金と賃貸収入でゆったりと生活していましたが、月日はながれて夫が先に亡くなりました。相続人は妻と長男と次男の3人です。
長男と次男がこの共有賃貸アパートの相続をめぐってあらそい、遺産分割協議は難航しました。そこで次男は弁護士をたてて長男とはなしあいをすすめました。そして、ほかの物件を長男が取得することで、賃貸アパートのおとうさんの持分は次男が相続することでまとまりました。
これで、賃貸アパートはおかあさんと次男の共有になりました。
長男は、長期間にわたって相続争いを続けたくはなかったので、今回は次男に譲りましたが、
次回、おかあさんの相続のときはじぶんのものにと執念を燃やしていました。
長男がいろいろと調べてみると、遺産の相続に関しては遺言が分割協議よりも優先されるということが分かりました。
そこで、長男はおかあさんとともに公証役場に行って遺言公正証書を作ってもらいました。
内容はもちろん、おかあさんの賃貸アパートの持分は長男に相続させるという内容のものです。
月日はながれておかあさんが亡くなりました。
おかあさんのお葬式のときに、
「おかあさんの賃貸アパートの持分は、遺言で俺が相続するから。」
という長男の言葉に次男はびっくり仰天。
次男は、賃貸アパートのおかあさんの持分はじぶんが相続できるものと思い込んでいたからです。
まさか、兄がじぶんと共有になる方法を選ぶとは思いもよりませんでした。
次男は長男をののしり、大さわぎしたもののあとの祭りで、これで賃貸アパートは長男と次男の共有になってしまいました。
そんな争いごとがあってからは、長男と次男はもちろん、その家族も互いに親戚づきあいすることはなく疎遠になっていきました。
疎遠になっていきますが、その間というもの賃貸物件のことが頭をよぎるたびに、長男は次男のことを、次男は長男のことを憎々しく思う感情をもちつづける日々が続きました。
そうするうちにそんな悩みが原因かどうかは明らかではありませんが、長男は癌をわずらい亡くなってしまいました。
賃貸アパートの持分は、長男の長男が相続しました。
アパートは空室も多く、老朽化が進んでいますが、建て替えたり、取り壊したりしようとしても、共有者のおじさん(次男)とはもう何十年も交流がありませんし連絡も取れない状態です。
おじさん(次男)も相当な高齢になっているはずですが、その生死も定かではありません。
長男のこどもはアパートのことが気にかかって、悶々とした日々を過ごしています。
まとめ
こどもがひとりで、親とこどもの共有ならば将来的に争いがおこりようがないので問題はないと思います。
ですが、兄弟姉妹がいる場合にはいくら「現在」なかよしであったとしても時の経過でその関係がどうなるかは神のみぞ知るところです。
共有して、そこから得られる利益をもらえるからいいじゃないかとお考えかもしれません。
相続争いなんてまったく気にならない、いつでもやってやると思われているかもしれません。
しかし、人間は年を取っていずれは天国に召される宿命です。
じぶんはよくても次の世代もよいとはかぎりません。
次の世代がその物件を所有している間というものずっと、その物件のことで思い患わなければならないかも知れないのです。
可能なかぎり共有は避ける方法を選んだほうが賢明、とわたしは考えています。
【きょうの料理】
冬瓜と豚こま肉のあんかけです。
いただきものの冬瓜を調理してみました。
冬瓜をじぶんで調理するのは初めてでした。
表皮の固いことかたいこと。いつもの包丁では歯がたたず、
出刃包丁を取り出したしだいです。
これでもかというばかりに、かなり厚めに皮を取りのぞかないといけないようです。