情報がたくさんあることは幸せなのか
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相続税専門の税理士の岡田隆行(okatakatax.com)です。 ☞ 仕事を依頼する
相続税と贈与税にかかわる相談を受けました。税金がかかるかどうかで悩んで夫婦で眠れない日々が続いていたそうです。
☞ 原因は案外自分自身だったりもする~おばけが怖いのは自分のせい?

贈与税がかかるかも
旦那様のお母様が亡くなり、相続税がかかるかもということでご相談がありました。
お話によれば、お母様が高齢になってきたことから、10年ほど前にお母様の預貯金の管理を任されたそうです。
ただ、そこは実の親子間でのあるある話なのですが、預金の管理を「任された」ものか「もらった」ものかがはっきりとしないといいます。
母親の預金を子どもや子どもの配偶者の名義にしたのは事実なのだけれども、その理由は本人でもあいまいなのです。
聞かれても分からない
贈与は民法上の契約行為で、贈与する側と贈与を受ける側が、「あげます、もらいます」の合意があれば口約束でも契約は成立します。
その契約が成立して、贈与の対象物がする側からもらう側へ移転すればそこで贈与があったということになります。
その際に動いた対象が贈与税の(暦年)基礎控除の110万円を超えていれば、贈与税の申告義務が発生するながれになります。
この贈与があったのかどうかは、口約束の贈与である場合、当事者にしか知りえないことです。
ですので相談を受けても、当方としてはこの贈与契約についてのご説明をすることしかできないのが本音です。
預金の移動が贈与だったのであれば、贈与税の申告が必要です。
そうではなくて、単に預っていたのであればそれは預り金であって、名義は子どものものになっていたとしても、母親の財産(母親にとっては「預け金」)ということになります。
YouTube動画の功罪
相談者の方は母親が亡くなって以降、相続税や贈与税に関するYouTube動画を視聴すればするほど、母親からの預金の異動について税務署から指摘をうけて、多額の税金がかかるのではないかと戦々恐々としており、最近はよく眠れない日々が続いていたそうです。
私も頻繁にYouTube動画を視聴します。非常に有益な情報を手軽に、分かりやすく、しかも無料で入手できるようになったことはすばらしいことです。
ただ、いちどその情報の動画を視聴してしまうと、これでもかとばかりに関連する動画がつぎつぎに表示されます。
それも自分でアプリを閉じない限り24時間いつでも視聴することができます。
それは便利なようであって、今回の相談者の方のように、それが気になって眠れない弊害を生んだりもします。
人間万事塞翁が馬 よいこと尽くしというものは存在しないのですね。
【きょうのお仕事】
自分の事業の記帳を。毎日記帳するのが基本です。(そうありたいものです)
【きょうの料理】
お刺身を買おうとしても、ハマチやサーモンはちょっと手が出にくい値段がついています。そこで、ついついリーズナブルな鰹のタタキに手が伸びます。ごちそうさまでした。


