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当ブログをご覧いただきありがとうございます。相続専門の税理士の岡田隆行です。
相続税の申告書の作成報酬は、相続財産の額で決まります。多くの税理士事務所が相続税の報酬は ”遺産総額の○○%” と設定しているからです。
報酬額が遺産額に比例する
報酬が1%の設定であれば、遺産が1億円であれば100万円、2億円であれば200万円になります。もちろん遺産が高額になれば税額も高額になるケースも多くなり、それに伴い責任も重くなります。実地調査対象とされる可能性も高くなりますから、ちょっとした問題もないように神経を使います。
それは分かっていながら、いまだに自分の中で「報酬が高すぎるのではないか」という思いを消せずにいます。高額な報酬に対する心理的な壁があって、それを乗り越えられていないのです。
かかった労力に応じた報酬でなければ受け取ってはいけない、という考えが頭のなかに残っているのです。
かかった労力に応じた報酬、ではない
何かで読んだパブロ・ピカソのエピソードを思い出しました。
ピカソがレストランで食事をしていたら、初対面の女性に「あなたに出会えた記念に何か絵を描いてほしいの」と請われました。「いいですよ」ピカソはテーブルにあった紙ナプキンに、さらさらっとほんの5分ほどで絵をかき、女性に手渡しました。「はいどうぞ この絵は5万ドルです」女性は驚いて言いました。「あなたはこの絵を描くのに 5分しかかけていないじゃないの それがどうして5万ドルもするの?」ピカソは肩をすくめて「わたしはこの絵の技量を習得するのに30年かかっています」
私は税務署勤務32年間ですから、この当時のピカソよりベテランですね。
仕事の報酬が、その仕事を仕上げるためにかけた時間とか、労力に見合うものであることは大前提です。それは、お給料をいただいていたサラリーマン時代の思考の癖なのでしょう。
ひと月働いたからこれだけの月給、という思考が頭にこびりついていて、それ以上もらったらダメという心理的なブレーキがかかってしまっているのです。
フリーランスの報酬は時間とか労力に対応していなければならい、という決まりはありません。知識と経験が豊富にあるからこそ、余計な時間や労力をかけずによりよいものやサービスを提供できる。そのように考えれば、この値段では高すぎるという思考には陥らなくてすみます。
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【きょうの料理】
鶏モモのつくねです。ゴボウが野菜室で待機していましたので、みじん切りにして混ぜ込んでみました。青じそは春になると、畑のそこここから勝手に生えてきます。一度目を出せば、ほとんど虫にやられることもなく、どんどん成長して巨大に育ちます。ハーブ系だからなのか、とても強靭な植物なのです。2本も生えていれば、秋まで楽しめます。