マイナス財産 それでも課税されるのですか
Table of Contents
相続税専門の税理士の岡田隆行(okatakatax.com)です。 ☞ 仕事を依頼する
先日面談した相続税申告のお客様の話ですが、相続した財産に田んぼが何筆もあり、今後の管理処分に悩んでいるとのことでした。管理料を払ってでも相続財産の国庫帰属制度を利用するべきか検討しておられました。
☞ 倍率方式の評価は簡単なのですか? 餅は餅屋・財産評価は相続税理士へ

まさに負動産
その方が相続した田んぼは、農村部ではありますが、ある程度まとまった面積があり、道路にも接しています。
一見利用価値は高いようですが、実際には農地としては耕作する人がおらず、宅地造成してまで利用するほどの需要がないそうです。
その結果、売りに出しても買い手がつかない状況なのだとか。
相続人もその親族にも田んぼを耕作しようと言う人がおらず、所有していてもただ草刈りや固定資産税などの管理にばかり費用がかさむだけで得るところがありません。
そんな「じょんならん」田んぼでも、一定の財産評価額が付されている以上、相続すれば相続税がかかってしまう訳です。
所変われば
かたや先日受けた別の相談では、ホームセンターの敷地に所有地を貸しており、相当の収入があるところへ、さらにその隣の田んぼもドラッグストアに貸すことになり、お金が貯まり過ぎるので節税策を考えてほしいというものでした。
もとは同じ田んぼなのに、かたやあり余るほどのお金を生み出し、こなた持っていると手持ちのお金が減ってしまうというこの隔たりはどうでしょう。
評価方法に問題
現行の相続税課税上の土地の評価は、その土地の「時価」を毎年発表される公示地価格と基準値価格を規準として評価されるものです。
ただ実際にはまったく買い手がつかず、処分できないような土地でも課税をする上で必要なので値段がつけられています。
また財産評価通達では、貸し付けられている建物や土地について、そこには借主の権利がくっついているという考え方をする結果、自ら利用しているよりも低い評価額となります。
実際には借り手がつく物件は、需要があると言うことです。需要があり、借り主から賃料収入を得られますので、その分価値が高いはずなのに、人気のない物件ほど評価が上がる結果となります。
賃貸物件において、相続税評価では現実とは真逆の結果となる訳です。
買い手、借り手のつかない物件には課税しないとか、賃貸物件には通常とは別の評価方法を用いるなどの取り扱いがあってもいいのではないかと私は考えています。
【きょうのお仕事】
相続税の新規案件の相続関係図の作成。
【きょうの料理】
茹でたそうめんをフライパンで焼きつけて、キュウリと卵の炒めたものをあわせました。そうめんチャンプルー。ごちそうさまでした。

