相続税のe-Tax利用率が50%超に 利便性優先により失われるもの
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相続税専門の税理士の岡田隆行(okatakatax.com)です。 ☞ 仕事を依頼する
先日e-Taxで相続税の申告書を提出しました。A4サイズ約50枚の添付資料も、PDFファイルのイメージデータで申告書提出と同時に送信しました。
☞ 相続税申告書に必須の添付資料が減ったこと 電子申告の利便性を優先させたことによるデメリットとは
もう紙には戻れない
昨年12月に税理士会支部役員と管轄税務署幹部との連絡協議会の際に、資産税統括官の説明があり、相続税のe-Tax申告でイメージデータで送信できる容量がまた増えたということを知りました。
私は5年前に税務職員からとらばーゆして、開業税理士となりたての頃は、相続税の申告書は紙提出派でした。
資産税の大御所税理士先生が紙提出で通しているという話を聞いて、私もそれに倣っていたのです。ところが、紙提出の申告書への受付印押印廃止というアナウンスを受けて、敵もさるもの、これはもう年貢の納め時と観念してe-Tax提出に切り替えました。
ただ、添付資料については、案件にもよりますが相当な枚数になりますので、ずっとレターパックで郵送していたのです。
お客様に手渡すために添付資料はコピーしますので、その部数をついでに1部増やすだけだからいいやという考えもありました。
それに手元の紙資料をPDFファイルにスキャンするのもちょっと面倒に考えていました。
ところが実際PDFファイル送信をやってみたら考えが一変しました。
当然のことながら紙が無駄になりませんし、レターパックの郵送料もかかりませんし、レターパックに宛先と差出人のラベルシールを打ち出して、貼りつける手間もかかりませんし、リアルにポストまで投函しに行く手間も省略できます。
PCをつつくだけで仕事が完結するのですっきりします。
添付資料も、申告書と同時送信する場合でもA4サイズで60枚程度なら余裕で遅れますし、まだやったことはありませんが、申告書の受信通知の受付番号に対して、申告書提出後1年以内に10回まで追加(おかわり)送信もできるようです。
申告審理はモニター画面で?
たしかに送信容量は増えて、電子送信しようかなと思わせられて
いちど便利なことに慣れてしまったら、もう紙送信には戻れそうにありません。
紙から電子へへのながれはあっても、逆の電子から紙へはながれない。紙と電子は相対の関係に見えても、実際には不可逆の関係で、もう紙に戻ることはないでしょう。
ただ、紙提出していた時にはちょっと余分かなと思えるような資料でも、少しでも参考になりそうなものは同封して送っていましたが、PDFファイルで送るとなると、つい必要なものだけに削ろうという思考が働いてしまいます。
要らないものは削って、本当に必要なものだけに限定するのが今風なのかも知れませんが。
でも、添付資料を受けつけた税務署での申告内容のチェック(申告審理)はきちんとできるのかなと考えたりもします。
審理担当者は、添付資料を紙出力せずにすべてモニターでチェックしているのでしょうかね。
こんど税務署幹部の方にお尋ねしてみたいものです。
ペーパーレスで資源の省力化はできるのかも知れませんが、失われるものも多いと思うのですが。
添付資料は限定されてゆき、しかもモニター画面でチェック。申告内容の確認作業はしづらい方向へながれているようですね。

