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当ブログをご覧いただきありがとうございます。相続税専門の税理士の岡田隆行(okatakatax.com)です。
3カ月に一度資産税のセミナーに出席しています。講師は資産税研究者の税務署OB税理士です。その方は相続税の電子申告については反対派で通しておられます。
トップの奨励にも
先日も、管轄税務署のトップが電子申告の奨励のため事務所へ見えたそうです。四国の高松国税局は相続税の電子申告の割合が低いそうで、税務署の幹部の方が躍起になって電子申告の奨励に回っているのだとか。
セミナー講師の税理士先生は、その管轄税務署トップの方のお話しを伺ったそうですが、やはり電子申告をする気にはなれないそうです。
その理由は、税務署は税務署の都合を並べるばかりで、納税者の利便にはなっていないからということです。
納税者の利便性を向上させているか
セミナー講師の税理士先生は、税理士法33条の2の書面添付制度については非常に積極的で、提出する相続税の申告書には必ず添付されているそうです。
申告書への書面添付で、申告書の内容について明らかにすることで、当局にいらぬ嫌疑を持たれないようにし、結果的に税務調査を受ける可能性を低くすることになる。
税務署としては税務調査の手間をかけずに済み、納税者と関与税理士としては余計な時間と心労の負担がかからずに済む。そういった理由から、書面添付制度は税務署、納税者そして税理士の三者にとって有益な制度なのでずっと続けておられるそうです。
500枚の資料をPDF化
書面添付することもあって、案件にもよるそうですが、添付資料の量が多くA4コピー用紙1束(500枚)分ほどになることはよくあるそうです。
それを電子申告するとなると、資料500枚分をすべてPDF化するのは相当な手間がかかりますし、そもそも容量オーバーで電子送信は不可能です。
そのように税務署トップの方に伝えられたそうなのですが、「添付資料は紙提出で結構です。」と返されたそうです。
相続税の申告書(だけ)さえ電子申告してくれればそれで構わないということなのですね。
申告書の枚数は多くても20枚程度です。添付資料500枚は紙でしか提出できませんから、その上に20枚の申告書を乗せて提出すれば、「520枚の紙の束を提出する」というひとつの作業で済みます。
それをわざわざ、20枚は電子提出、500枚は紙提出とふたつの作業に分けるのは、手間をひとつ増やすだけです。
その手間をかけるだけのメリットが納税者にあるのであれば、それを紙申告派税理士に啓蒙すればいいだけです。電子申告の割合は飛躍的に伸びることでしょう。
【きょうの料理】
ポークチャップならぬチキンチャップです。