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相続税の電子申告は何が省力化になっているのか 出す側と受け付ける側のメリット

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当ブログをご覧いただきありがとうございます。香川県高松市相続税専門の税理士の岡田隆行(okatakatax.com)です。

税務署ではDX(デジタルトランスフォーメーション)の国策に従い、相続税をはじめ電子申告の勧奨をしています。相続税の電子申告の利用率はこんな感じ・・・

電子申告利用状況統計 ☞ オンライン(イータックス)利用率(所得税、相続税、法人税)の国税局別内訳(令和3年分)

ですので、税務署の幹部の視界に税理士の顔が写ろうものなら条件反射的に、「相続税の電子申告をよろしくお願いします。」と言葉が飛び出てくるくらいの勢いなのです。

☞ 500枚の添付資料をPDF化しようと思いますか 相続税の電子申告

man opening blue briefcase with documents
Photo by Anete Lusina on Pexels.com

チェックはやはり紙がいちばん

先日、とある会で所轄税務署の方とお話しする機会がありました。相続税の申告書の内容確認はどのようにしているのかとお尋ねしたところ、驚いたことに「紙で打ち出して確認しています。」とのことです。

曰く、パソコンのモニターが小さすぎて、何画面も表示させて画面上で確認することは物理的に不可能なのだとか。

税務署でも、幹部職員の一部には大型モニターが配備されているのですが、一般職員はよくあるサイズのノートパソコン1台のみですので、大型画面に申告書とその基礎資料を同時に表示させて、申告内容のチェックを行うことができないのです。

だから、せっかく電子申告された申告書も添付書類も紙で出力せざるを得ない・・・なるほど、説得力があります。

そうなると、申告書のながれは

  1. 税理士が紙で作っている基礎資料を電子化(PDF化)する
  2. 税務署へ電子申告する
  3. 税務署で申告書と資料を紙に印刷する

紙申告は国家予算の節減になる

ほとんどの税理士はお客様である納税者へ、相続税の申告書と資料を紙でお渡ししているはずです。その部数を1部余分に印刷して、税務署へ提出すれば、税理士は電子申告する手間が省けて、税務署はいちいち印刷する手間が省ける。これは両者にとって有益なことです。

国家予算から捻出されるコピー用紙代の節減にもなります。これは100枚200枚話ではなく、全国的なことですから、そのコピー用紙の枚数は膨大なものとなるでしょう。

電子申告にはメリットもあるにはある

相続税の申告書を電子受付する税務署側の主なメリットは、「申告内容を入力する手間が省ける」ということのようです。

相続税の申告書が紙で提出された場合、税務署は申告書の決まったページをOCR(数字の読み取り装置)にかけるか、手入力でKSKシステム(国税総合管理システム)に入力する必要があるのですが、その手間が省けることが。税務署の職員としてのメリットなのです。

電子申告、電子申告と連呼しているのは、それが国策だからという理由以外にはなく、それではあまり職員のモチベーションが上がらないことは推して知るべしです。

電子申告を推進しようとしている国、そのメリットをあまり感じていない税務職員と税理士という構図なので、電子申告の割合が低迷しているのも頷けるところです。

【きょうの料理】

マーボー茄子です。赤いのはとなりの畑の方から頂いた唐辛子です。子どもの手の小指大の細長い唐辛子ですが、いい感じの辛みがあります。

marbor
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