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当ブログをご覧いただきありがとうございます。相続税専門の税理士の岡田隆行(okatakatax.com)です。
先日の日本経済新聞の1面に「会議で激高、6秒待てず」と題した記事を読みました。怒りの代償の大きさにあらためて、決して怒らないように心がけようという気持ちを新たにしました。
「怒り爆発」で得られるもの
記事によると、会議上で決定事項に従わない部下に対して部長が「それなら対案を示せ!」と怒鳴り、激高して壁を叩き、その部下の胸ぐらを掴んでしまいました。後日、その部下が首などの痺れを訴え、さらに鬱病を発症、1ヶ月後に退職してしまいました。そして会社と部長を相手取り1億4千万円の賠償を求めて提訴、裁判は高裁にまで持ち込まれて、事態発生から7年半経過した今も続いているというものです。
記事によれば、もし自分自身が怒りを感じたら、なんらかの行動に移す前に6秒間待ってみると、怒りのピークは過ぎるそうです。
たとえ部下の言動が自分の気に入らなかったとしても、部下は部下なりにそれが正しいと信じてやっている行動なのです。それを大声や暴力で制したところで、部下の考えを自分の考えに同調させることはできません。
むしろ、部下の反発を買ってしまい事態は悪化の一途を辿ることになります。むしろ、何もしないほうが余程よかったことでしょう。
もしくは、部長が気持ちを落ち着かせて「では君の対案を聞かせてもらえるかね。」と穏やかに話をしていれば、そう長くはない人生のうちの7年半という時間を棒に振ることはなかったことでしょう。もったいない、ほんとにもったいないことです。
あの有名な交通標語の「注意1秒、ケガ一生」にあてはまる事例です。
怒りの根源にあるもの
以前読んだ本によれば、怒りの根底にあるのは「恐怖心」なのだそうです。
この爆発した部長さんの場合であれば、
俺は今この部下から軽んじられている。→このままではこの部下だけでなく、会社中から馬鹿にされてしまう。→今の自分の地位が危うくなってしまう。→格下げになり、給料が減ってしまう。→会社をやめなければならないかも知れない。→食っていけなくなる。→それは恐ろしいことだ。→ここは一発怒りを爆発させて、この部下を従わせなければならん!
人間が自尊心、他人からどう見られているかについてものすごく気にするのは、人類がその進化の過程のほとんどを過ごした狩猟採集の時代の名残りなのだそうです。
数十人単位の集団単位で生活していたその時代には、自分の属する集団から仲間外れにされてしまうことは即、死を意味しました。そこで仲間外れにされないように、集団内では協調しなければなりません。
ただし、協調するといっても、なんでもかんでも仲間に譲るばかりしていては、自分の伴侶を見つけて子孫を残すことができません。子孫を残すためには、集団内で一定の地位を保つ必要があります。仲間と協調しつつも、抜きんでるという複雑な駆け引きをしなければならなかったのです。その駆け引きに勝ち抜いてきた末裔が現在の人類だということができます。
怒りの感情を持ってしまうことは、誰しもあることでそれは仕方がないことです。そこで沸き起こった怒りをどうやり過ごせるかどうかは、与えられた大切な時間を実りあるものにできるかどうかの分岐点なのです。
【きょうの良事】
ちょっとした新規案件が入ったこと。
【きょうのラッキーさん】
何にでも価値を見つけること。ものごとには、もともと意味はなく、それにどう意味付けするかはその人次第。
【きょうの料理】
マーボー大根です。