倍率方式の評価は簡単なのですか? 餅は餅屋・財産評価は相続税理士へ
Table of Contents
相続税専門の税理士の岡田隆行(okatakatax.com)です。 ☞ 仕事を依頼する
先日とある税理士先生の発言が耳に入りました。
「相続税の土地の財産評価が全部倍率方式になってくれたら助かるのになあ」
それを聞いてぱっと脳裏に思い浮かんだのはヒロシ&キーボーの「三年目の浮気」の歌詞でした。
「馬鹿言ってんじゃないよ!」(心の中の声)

複雑だからこその税理士
税制はできるだけ簡素な方がいいという考えが主流のようで、 有識者会議の勧告では「公平・中立・簡素」の三原則が強調されています。
しかし、あまりに簡素な税制は極端になりすぎて、不公平な部分がでてきます。
なにより、税制が複雑で難解なればこそ税金の専門家の税理士の出る幕があるわけです。
実は倍率方式のほうが難解
そもそも、倍率方式のほうが路線価方式よりも簡単だという思考自体に少々問題があると言わざるをえません。
以前税理士会の研修会講師に見えた不動産鑑定士の方が、実は路線価方式よりも倍率方式のほうが、その評価が難解な場合があるということをもおっしゃっていました。
倍率方式の評価のしかたは、基本としては評価対象地の固定資産税評価額にその地目に応じた評価倍率を掛けあわせるというもので、極めてシンプルです。
シンプルだから誰でもできるかというと、実はそこには落とし穴があるのです。
そのへんの認識を持たない方にとっては、倍率方式はカンタン便利、素人でもできる土地評価の方法と写っているのかも知れません。
☞ 相続税の土地評価~倍率地域の評価は簡単だと思いこんでいませんか?
評価する土地にもよりますが、単純な倍率方式で評価した額ではその土地の本来の価値をあらわせていない場合がでてくるのです。
本来の評価額が低いのにもかかわらず、高く評価してしまうと当然ながらお客様には余計な税負担が生じます。
税務当局は評価額が適正な額よりも低い場合にはよろこんで指摘してきますが、高い場合にはだんまりを決め込んでいることが珍しくありません。
そうなったら払い過ぎた税金は永遠にもどってくることはありません。
倍率方式に対する甘い認識が、お客様に損害を与えてしまう可能性があります。
餅は餅屋へ。土地評価は相続税理士へ。
【きょうのお仕事】
他の税理士先生からの依頼で申告内容の確認を。指摘できる項目があったので一安心?しました。
【きょうの料理】
マーボーカレー。カレーは大楊です。ごちそうさまでした。

