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当ブログをご覧いただきありがとうございます。相続税専門の税理士の岡田隆行(okatakatax.com)です。
相続税申告の依頼を受けているお客様から、国税局から「相続税の申告についてのご案内」が届いたと連絡がありました。
この相続案件については、当税理士事務所が関与しますと伝えようと、被相続人の住所地を管轄する税務署へ電話を入れたところ、「資産税担当がいないので、○○署へかけてください。」との対応でした。
☞ 税務署も人手不足 「資産税担当不在なので分かりません」で済む世界
パソコン嫌いのオジサンのごとし
電話応対に出た職員に「相続税案件の関与の連絡をしたい」とだけ伝えたところ、「しばらくお待ちください。」とややあって、先述の資産税担当がいないからいる署へかけてくれというのです。
そんなに難しいことを聞きたいとか、質問したいとかではなくて、ただの伝言にもかかわらず門前払いなのですね。
こちらの要件をよく聞き取ることはせずに、資産税は分からないと頭から決めつけている印象を受けました。
まるで、パソコンつついててエラーメッセージが表示されたら、パニックになって「これだからパソコンは分からん!」と投げ出してしまうオジサンのようです。
パソコンが苦手な人のほとんどは、「自分はパソコンが苦手だ」と思い込んでいるからいつまでたっても苦手なのだそうです。
苦手だ、分からないと思っているので、エラーメッセージを読まない。読まなければ問題は解消しないという循環です。
資産税のことは分からない、分からないから答えないという循環ができていて、それがまかり通っているのが現状なのですね。
内部事務センター化によるサービス低下
国策であるデジタル化の波を受けて、デジタル化で省略できる事務はすべてまとめてセンター化してしまおうというながれの影響で、以前は各税務署に配置されていた資産税職員がいない署(無配置署)が増えています。
平成27年に相続税の基礎控除額が40パーセント下がって、相続税の申告件数が倍増したにもかかわらず、資産税職員は増員どころか減少しています。その減少をデジタルやAIで補えると考えているのでしょうけれど、人が減ってしまったら、納税者サービスが低下することは避けられません。
省略スパイラル
省略化できるところは省略という思考でいると、どんどんその考えは加速していくもののようです。あれもなくていいなら、これもなくていいんじゃない?といった調子でどんどん削られていきます。なんだか断捨離のような感じで、どんどん捨ててしまっているようです。
省略化の波は申告書の添付資料にも及んでおり、添付が必須の資料は戸籍謄本+αくらいになってしまいました。
ついでに相続税の申告書のチェックシート。以前は添付資料の一覧があったのですが、それも省略化されてチェック項目の右側にその面影があるのみです。
そんなに捨ててしまって、大丈夫なのかな。
さいごまでご覧いただきありがとうございました。
【きょうの料理】
根菜とスズキの蒸し煮。
【相続税専門】岡田隆行税理士事務所 ℡087-816-8889
国税での32年間の資産税事務経験を活かして、相続税に関するサポートに尽力します。
事務所は高松市国分寺町、趣味は料理とバイクです。